スキマ時間の有効活用とエクストリーム出社に関する調査
- 2015年4月8日
- ビジネス
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- 就業時間外の活動の参加経験・意向
3. 就業時間外の活動の参加経験・意向 調査結果
- 朝活など「始業前」のスキマ時間の有効活用経験率25%、「休憩時間」では23%、「終業後」では37%
- チャレンジ志向派は安定志向派よりもスキマ時間の有効活用に積極的!
- スキマ時間の有効活用活動内容の上位は「読書」、「語学の勉強」、「資格試験の勉強」
- 休憩時間では、「ボランティア」、「音楽演奏」、「ジョギング」など多彩な取り組みも!
- 業務成績や給料アップが実現?スキマ時間の有効活用で活動経験者が実際に得たものとは?
では、関東在住のビジネスパーソンの隙間時間の有効活用に関する意識と実態は、どうなっているのでしょうか。
全回答者(1,000名)に、就業時間外に、勉強・自己研鑽や、趣味、交流などの活動を行うことがあるか、始業前、休憩時間、終業後のそれぞれについて聞きました。
《始業前※1》では、「現在、行っている」が11.3%、「行ったことがあるが、現在は行っていない」が13.7%となり、合計すると経験率は25.0%となりました。また、「行ったことはないが、行ってみたい」と回答した方(以下、意向者)の割合は2割強(22.0%)でした。
続いて、《休憩時間※2》では、「現在、行っている」は10.7%、「行ったことがあるが、現在は行っていない」が12.4%で、経験率は23.1%、意向者の割合は2割弱(18.2%)となりました。
《終業後※3》では、「現在、行っている」が14.6%、「行ったことがあるが、現在は行っていない」が21.9%で、経験率は36.5%と、他の時間帯よりも高くなりました。意向者の割合は2割強(23.6%)でした。
キャリア意識別にみると、チャレンジ志向派は、始業前・休憩時間・終業後のいずれにおいても、安定志向派よりも経験率が高い結果となりました。チャレンジ志向派は、隙間時間の有効活用にも積極的に取り組んでいるようです。
- ※1"始業前の時間(朝活など。朝に限らず始業前の時間)"として聴取
- ※2"昼休みなどの休憩時間(昼活など。昼に限らず、就業中の休憩時間)"として聴取
- ※3"終業後の時間(夜活など。夜に限らず、終業後の時間)"として聴取
就業時間外に、勉強・自己研鑽や、趣味、交流などの活動を行うことがあるか(各単一回答形式)
次に、それぞれの活動の経験者に、活動を行おうと思った理由について聞いたところ、始業前、休憩時間、終業後いずれにおいても、上位3項目は「空き時間を有効活用したかったから」(始業前58.8%、休憩時間56.7%、終業後46.6%)、「スキルアップ・キャリアアップを目指そうと思ったから」(同33.2%、28.1%、35.1%)、「楽しいこと・面白いことをしたかったから」(同13.2%、13.9%、23.6%)でした。活動別にみると、始業前・休憩時間に比べて、終業後では、「空き時間を有効活用したかったから」が低く、「楽しいこと・面白いことをしたかったから」、「生活に刺激や変化が欲しかったから」(始業前9.2%、休憩時間7.4%、終業後15.6%)が高くなっています。終業後の活動においては、楽しさ・刺激を得ることを目的とする場合も多いようです。
就業時間外に、勉強・自己研鑽や、趣味、交流などの活動を行おうと思った理由(各複数回答形式)
- *対象:それぞれの活動の経験者
では、実際にどのような活動を行っているのでしょうか。
それぞれの活動について、現在行っている人(始業前113名、休憩時間107名、終業後146名)に聞いたところ、いずれにおいても、上位3項目は共通して「読書(読書会)」(始業前31.9%、休憩時間35.5%、終業後30.1%)、「語学の勉強」(同22.1%、16.8%、19.9%)、「資格試験の勉強」(同19.5%、15.9%、26.0%)となり、自身の教養やスキルを高める活動が挙がっています。そのほか、休憩時間に「ボランティア」(3.7%)をしたり、「音楽演奏」を楽しんだり(3.7%)、「ジョギング・ランニング」(2.8%)で汗を流したりしている人もみられ、業務の合間でも多彩な取り組みがなされていることがわかりました。
始業前に、どのような活動を行っているか(複数回答形式)
- *対象:現在、始業前に活動を行っている人
- *上位10位抜粋
- *全体:[n=113]
休憩時間に、どのような活動を行っているか(複数回答形式)
- *対象:現在、休憩時間に活動を行っている人
- *上位10位抜粋
- *全体:[n=107]
終業後に、どのような活動を行っているか(複数回答形式)
- *対象:現在、終業後に活動を行っている人
- *上位10位抜粋
- *全体:[n=146]
他方、それぞれの活動の意向者(始業前220名、休憩時間182名、終業後236名)に、どのような活動を行ってみたいか聞いたところ、現在行われている活動で上位3項目だった「語学の勉強」(始業前39.1%、休憩時間28.0%、終業後33.5%)や「資格試験の勉強」(同35.5%、29.7%、32.2%)、「読書(読書会)」(同26.8%、29.7%、19.9%)は、意向のある活動としても上位回答となりました。
そのほか、終業後の活動では、8位に「温泉」(14.8%)が入っています。温泉で1日の疲れを取りたいという思いが窺えました。
始業前に、どのような活動を行ってみたいか(複数回答形式)
- *対象:始業前の活動意向者
- *上位10位抜粋
- *全体:[n=220]
休憩時間に、どのような活動を行ってみたいか(複数回答形式)
- *対象:休憩時間の活動意向者
- *上位10位抜粋
- *全体:[n=182]
終業後に、どのような活動を行ってみたいか(複数回答形式)
- *対象:終業後の活動意向者
- *上位10位抜粋
- *全体:[n=236]
就業時間外の隙間時間に、教養やスキルを高める活動を行っている人が多い結果となりましたが、それらの活動を行うことで、どのような効果を実感しているのでしょうか。
始業前・休憩時間・終業後いずれかの活動の経験者(435名)に、就業時間外に、勉強・自己研鑽や、趣味、交流などの活動に取り組んだことによって、どのような効果があったか聞いたところ、最多となったのは「それまで知らなかった分野の知識・知見を得た」で、5人に1人(19.8%)が実感していることがわかりました。新たな知識・知見を身につけられることが、こうした活動の最大の効果のようです。以下、上位項目には、「やりたいこと・目標が(新たに)できた」(13.8%)、「日々の生活が楽しくなった」(11.3%)といった、日々の生活の刺激になっているという回答や、「資格が取得できた」(11.5%)、「会話の引き出しが増えた」(10.6%)といった、役立つスキルを修得できたという回答が挙がりました。また、「体調が良くなった」(8.5%)、「考えがポジティブになった」(8.3%)など心身の改善につながったり、中には「業務成績がアップした」(7.4%)、「給料がアップした」(6.9%)のように、仕事においてリターンを実感している方もみられ、隙間時間を有効活用することによって実感できる効果は、多岐にわたるようです。
男女別にみると、女性は「それまで知らなかった分野の知識・知見を得た」(女性24.0%、男性15.6%)、「日々の生活が楽しくなった」(同14.3%、8.3%)で男性より割合が高くなり、新たな発見や日常生活での刺激を実感している傾向がみられました。他方、男性は「給料がアップした」(男性10.1%、女性3.7%)で女性より割合が高くなり、仕事におけるリターンは男性のほうが実感しやすいことが窺えました。
就業時間外に、勉強・自己研鑽や、趣味、交流などの活動に取り組んだことによって、どのような効果があったか(複数回答形式)
- *対象:始業前・休憩時間・終業後いずれかの活動の経験者
- *上位10位抜粋
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- 就業時間外の活動の参加経験・意向